途方

途方に暮田

2019-01-01から1年間の記事一覧

「必要性の丘」vol.2

11月24日東京文学フリマで頒布した「必要性の丘」vol.2より、私以外の二人の句を一句ずつ紹介します。 手にさげてひとひとたちが池帰り (石山正彦「回覧番」) 一読して、「ひとひとたち」に目を惹かれます。 複数の人を「ひとひと」と表現しているのかと思…

11月24日(日)東京文学フリマ情報

11月24日(日)東京文学フリマでは、2つのブースに暮田の川柳が置いてあります。 全部集めると川柳が38句読めますので、よろしくお願いいたします。 【ク-9】publumさま(@pabulum15) □『私とカフカ』に「影絵」8句 カフカの翻訳、カフカに関する論考、創…

気絶してあじさい色の展開図 (小池正博『転校生は蟻まみれ』) の絵を描きました。

大漁でしたよねと毛布を叩く (兵頭全郎『n≠0 PROTOTYPE』) の絵を描きました。

DVDではタピオカが入ってる 先週の次回予告にも うきうき (御殿山みなみ句集③「うきうき」) 句意をとると、スクリーン、あるいはテレビではミルクティーだった飲料が、DVD化されるときにタピオカミルクティーになっている……というかんじでしょうか。差…

映画版のび太の第二性徴期 (川合大祐「グリーン・デイ」、『川柳スパイラル』6号) 劇場版:秋の味覚の集大成 (森慎太郎「九月」) 「映画版」「劇場版」が面白い2句。 川合さんの句は卑近な出来事である「第二性徴期」を掛け合わせることで、「わざわざ…

柳本 (前略)だから、川柳ってどこかでテレビ感性のものなのかなともおもうし。そういう意味では笑いにもちかづいていくのかもしれない。シティーボーイズとかシュールなコントしてますからね。鳩サブレを干すとかね、雨のように降るフリスクとか。夢とテレ…

ネロの火を逃れてハチ公前で会う 決定版フローチャートで前世がわかる! (衿草遠馬「春に式神」) 1句目、たった17文字の中で時代も場所も超えることができるっていう川柳の良さを端的に表しています。「ネロの火」「ハチ公前」ってチョイスもエモい……。2…

感情はなんでもありじゃないカレー すこしだけ煙るからやめよう身投げ (佐原キオ「おそろしい麦茶」) 「カレー」の唐突さ(3音余っててもここに「カレー」入れる? という。「感情はなんでもありじゃないカレー」というカレーの種類のようにも見える)、…

「これって音楽ですか?」「いや、廊下です」 家族写真をコーラで溶かす 喉に星をかがやかせ狂う父 (杉倉葉「家族写真」) 「骨が溶ける」的な風評のあるコーラの胡乱な雰囲気と「家族写真」の組み合わせが良い意味で悪い! 正気を失う家族、のモチーフは川…

「ゆるしてあげる」ってすごいことばだよなあとおもう。ゆるすとかゆるさないになったらもうそれはどちらにしても〈ゆるさない世界観〉だ。 (柳本々々「クリームソーダゆるしてあげるを思い出す(2月18日)」、『バームクーヘンでわたしは眠った』) 苺が挟…

ランドルト環にマカロン挟むプロ プチョヘンザ神に隠れる場所はない (衿草遠馬) 「デルフォイの神託」「犬神」「検非違使」等、語の選択に今・ここを離れようと志向する力を感じ、好きです。「ランドルト環」は景がかわいくて面白い。「プチョヘンザ」はす…